SS(秘密の僕ら)

ただの個人メモ。

がくぱろの紅白くん関係です。
多分沢ちゃんしか楽しめないやつ(ごめんなさい)

あっ、、、因みに、入鹿×紅白です。

 今日は“親”達がいない日だ。使用人の半分以上はあの人たちの元へ向かった。
 お尻の辺りが痛い。保健室の先生に切れ痔と伝えてコッソリ生理用パットを貰い、痛む辺りに貼ってみた。これで血は制服を汚さないだろう。
 昨日の夜は散々だった。遠し練習の時にバイオリンの弦が一本切れただけなのに母親面したババアは何度も自分を殴るわ、五人のババアの僕どもに素っ裸にされて“また体を弄られた”。
 酷い家だ。自分が“真実”を知ってから家族の態度が一変した。母親の愛情が更に歪んだ気がした。鯨ちゃん、鯨ちゃんって……吐き気がする。
 今日は静かなところへ行って夜が更けるまでそこに行こうと、お気に入りの公園へ行く。川沿いにあるその公園からは街中に流れる海風が心地よく、国内一の山がよく見え、天気の良い日は夕焼けに焼けるような山がまた美しく、悲しい過去を癒してくれる気がした。
 ベンチへ座り鞄の中から本を一冊取り出す。マクロ経済学と書かれた参考書を頭から読み始めた。右上から左下にかけて流れるように目で追い、次々とページをめくっていく。
 本の半分を読み終えた時、誰かが真後ろから両腕で首の辺に巻き付いてきた。
「今日は何を読んでるの?」
 陽気な少年は自分の肩に顎を乗せ、活字の文を読み「うわぁ……また難しいのを読んでるね……」と呟く。
「何のようだ」
 自分の口から出た声は極めて呆れた声だった。
「くじんの尾行」
「はぁ?」
 眉間に皺を作りながらひたすら続きのページを目で追った。
「だって、今日のくじん、朝から具合悪そうだったから。それに……女臭いな……って」
 絞り出すように少年は言う。自分は昨夜のことをふと思いだし、読み進めるのを止めてしまった。
 少年は自分の首もとにある髪の毛をずらす。増えた鬱血痕と歯形と切り傷。きっと昨日も“調教”されたんだろう。僕だったら……くじんの身代わりになれたのに……。
 少年は真新しい歯形に口を添える。口先をすぼめ、きつく吸い付けば真っ赤な新しい花を白い肌に咲かせた。
「なんでも……ない……」
 聡い少年はそんなことを言いながらも何かを求めるような表情を浮かべ少年の唇を奪った。
「上書き……してほしい……」
 震えた声で彼に要望する。分厚い本を鞄の中へ放り込み少年の首へ腕を巻き付いた。